2025.11.05
田舎のそば
子供のころから食べていた蕎麦(所謂、田舎そば)は、米が殆ど採れない貧しい地域で、「何にも御馳走はないけどせめて蕎麦位腹いっぱい食べていってくんない(くださいの方言)!」家庭のおばあちゃんが打った小麦の中に殻ごと砕いたソバが少々、白っぽい麺に黒い星がちりばめられた所謂秩父の田舎そば。大人になるまでこれが蕎麦だと思っていましたし、手打ち蕎麦にお金を払うなんて考えられませんでした。
立ち食いそばは好きで、子供のころは寄居駅の駅そば。都内で働いている時は、池袋の君塚がお気に入りでした。
1999年秋、葛飾立石の江戸東京そばの会・玄庵 で二八蕎麦を打つまでは、手打ちそば屋にはほとんど行ったことがありませんでした。
もちろん、秩父にその先の人生を変えることになる 「手打ちそばこいけ」があることなど全く知りませんでした。
四半世紀前の2000年、そば教室で沢山の先輩方から「良いなあ秩父出身かあ、秩父には日本一の蕎麦屋こいけがあるからね」と言われましたが、秩父に美味しい江戸蕎麦屋があるなんて・・・嘘だろう
実際、初めて秩父のこいけでそばを食べててもそのすごさはほとんど理解できませんでした。